参考価格38,000円
リバーブです。(右隣はディレイです。)
そもそもリバーブは原理的には短いディレイ音の集合体です。しかもランダムな集合体なので関数で一括に表現とかが難しいです。昔は(BBD時代)このランダムな反射音を再現するのがとても大変でした。BBDの途中段でタップを出して複雑に組み合わせて、なんとか「それとなく」残響音「らしき」モノを作る程度でした。最近のDAW上ではDSP技術の進歩でIR(インパクト・レスポンス)を元に演算していくリバーブというか、むしろ立体音響空間再現みたいなことが主流になってますね。
こちらはMXR創設メンバーの一人のキース・バーが生前最後に設計した専用チップのFV-1をつかっています。IRレスポンスではないですが、反響プログラムとしてキース作成のアルゴリズムをそのまま使わせてもらっています。(後にキースはアレイシスを立ち上げ、リバーブの設計を行っています。)なるほどさすがのクオリティです。理屈抜きに「らしさ」が「使える」レベルです。
ディレイと同じに、フロントエンドやミキシングにはミキサー用のオペアンプを贅沢に使っています。大食いになってしまったのでかろうじて006Pの電池で動きますが、長時間稼働にはDCは絶必になってしまいました。
最大のポイントはダイレクト音をそのままアナログ的にスルーしていることです。ノイズ面はスペースの問題で最近のコンパクトデジタルはダイレクト音もデジタル化してコントロールしていますが、ここは譲れないので、「ダイレクト音はアナログスルー」です。